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糖尿病

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  • 1日のうち血糖値はどのように変動しているの?

    血糖値は、食前の空腹時には低く食後には高くなります。

    食事によって体内に取り込まれたブドウ糖が血液中に吸収されるためです。正常な人の場合、食後速やかに必要な量のインスリンが分泌され、ブドウ糖を脂肪細胞や筋肉に取り込ませるため、血糖値があまり高くならないうちに下降を始めます。

    しかし、糖尿病の患者さんでは、食後にインスリンが遅れて分泌される上に、十分な量ではないため、血糖値が急激に上昇してしまい、なかなか下降しない状態になってしまいます。

    血糖値の1日の動き
    血糖値の動き
  • 発症早期の糖尿病の患者さんでは、食前の血糖値は正常値(110mg/dL未満)または境界域の範囲内(110mg/dL以上、126mg/dL未満)にあるものの、食後の血糖値は糖尿病域の範囲(200mg/dL以上)に入っている場合があります。
    糖尿病には「食後速やかに分泌されるべきインスリンが、正常の場合よりも遅く分泌される」という特徴があるため、インスリンがある程度分泌されているにもかかわらず、血液中に多くのブドウ糖が吸収されてしまい、血糖値が上昇してしまうのです。
    この状態を放置すると、やがて食前の血糖値も高くなり、より重症の糖尿病へと進行してしまいます。

    インスリンの1日の動き

  • ヨーロッパで行なわれた大規模臨床試験で、空腹時の血糖値が正常でも、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の2時間値が糖尿病型(200mg/dL以上)であれば、正常型の人と比べて死亡する確率が2倍になるという結果が出ています。

    OGTTは食後の血糖値の指標とされていますので、食後の血糖値が高めの方は、十分注意する必要があるのです。

    注)OGTT
    75gのブドウ糖を水に溶かして飲み、30分、1時間、2時間後などの血糖値を測定する試験のこと。

  • 発症早期の糖尿病の場合、ヘモグロビンa1cのコントロールが「良(6.5%未満)」であっても、食後の血糖値が高くなっていることがあります。
    医療スタッフへご相談の上、食後2時間を目安に、食後の血糖値も測定してみた方が良いでしょう。

    早期に手を打つ

    早期に発見して治療を行なうことこそ、その後の合併症を予防する糖尿病治療の基本なのです。

  • 食事をすれば血糖値は上がり、空腹になれば下がります。また、歩いたり、ジョギングをすると下がり、イライラしたり、心配事があったり、寝不足だったり、風邪などで熱が出ていると高くなります。このように血糖値が1日中で激しく上下するのが糖尿病の特徴です。

    では、治療が効いて良くなっているかどうかを知るには、どの時間帯の血糖値を見るのが良いのでしょう。これは1人ひとり違いますから主治医に聞いてみて下さい。

    一般的には、食事療法だけの人や経口糖尿病薬での治療の人は、朝食前の血糖値が安定しているので、その値で比較するのが良いでしょう。しかし、肝臓が悪かったりすると、朝食前は低くとも食後に非常に高くなる人がいます。この場合は、食後2時間値を見た方が良いでしょう。
    3食とも同じ量をとるのが原則ですが、朝食を軽く、夕食を多くとる人は、夕食後の血糖値を見た方が良いでしょう。
    インスリン療法をしている人は、色々な時間帯で見ておく必要があります。インスリンが効いている人では食後も血糖値が高くなりません。効いていない人では非常に高くなり、250~300mg/dL以上にもなります。

    また、朝食前に高いのに夕食前には低くなる人もいます。逆に朝は低いのに夕方に高くなる人もいます。
    このようにインスリン療法の場合は、インスリンの注射回数、量(単位)等によって、1日の血糖値の動きが変わってしまうのです。

    皆さんにお勧めしたいのは、自分で血糖値を測定し、自分の血糖値の動きを徹底的に調べることです。何をどのくらい食べると血糖値がどの程度上がるかなど、自分でテストして血糖値の動きの癖を覚えることです。
    糖尿病は、自分で全てを知っておかないと健康を維持できません。大切なのは、血糖値を測ったら必ず記録して、それを主治医に見てもらい、体に合った最も良い治療を考えてもらうことです。
    (血糖を記録する手帳は、医療機関で無料で得ることができます)